• 11月24日 星期日

日本应对少子化政策第一步:“让男性回归家庭”

2月22日、厚生労働省が発表した人口動態統計速報によれば、2020年の出生数は前年比2.9%減の87万2683人と過去最少であり、19年に続いて2年連続で90万人を下回った。期間合計特殊出生率は1971年~74年の第二次ベビーブームをピークに下がり続け、2019年は1.36である。

据日本厚生劳动省2月22日发布的人口动态统计速报显示,2020年日本出生人口数量为87万2683人,较去年减少2.9%,为历史最少,也是继19年之后连续两年出生数量小于90万人次。统计期间总和生育率继1971年~1974年第二次婴儿潮后持续下降,2019年该数据为1.36。

日本应对少子化政策第一步:“让男性回归家庭”

こうした少子化傾向は日本に限らない。東アジア地域やシンガポールの出生率は日本よりも低いし、すべての先進国において出生率は人口を維持する水準に達していない。出生率が下がっていくということは、少数の現役世代が多数の引退世代を経済的に支えることを意味する。今後、社会保障制度が改革されることがあっても、それを持続・充実させるための一つの方法として、出生率の引き上げが必要とされているのだ。

少子化问题并非日本独有。东亚地区、新加坡的出生率甚至比日本还要低,所有发达国家的出生率都没有达到维持本国人口数量的基准线。出生率下降意味着更少的工作阶层将承担更多退休阶层的经济压力。今后即使要进行社会保障制度改革,提高出生率也是维持和保障这一制度的必要措施。

社会保障制度は人々が安心して暮らしていくために不可欠なものであり、これを維持するために出生率を引き上げることは社会全体にとっての利益につながる。一方で、子供を生み育てる費用を直接負担しているのは親である。子供が社会に存在することが社会保障制度の維持をもたらし社会全体が利益を得るにもかかわらず、その費用や労力を負担するのが親に限られてしまうならば、少子化が進んでしまうことは必然だ。

社会保障制度是让人民放心生活不可或缺的制度,它的维持离不开出生率的提高,事关整个社会的利益。一方面,父母直接承担了生育费用。即使儿童能够维持社会保障制度,让全体社会从中得益,但如果只有父母负担这些费用和劳力的话,少子化进程必然会加剧。

子供を持たない人からすれば、子育て支援策や少子化対策に直接的なメリットを見出せないかもしれないが、他人の子供が立派な大人になることで、間接的には老後の自分を含め、社会の構成員であるわれわれを経済的に支えてくれることになるという事実にも目を向けてほしい。

在没有孩子的人看来,可能在育儿扶持措施和少子化政策上得不到直接的好处,但也希望他们能够意识到,当别人的孩子长大成人后,他们就会间接地在经济上成为整个社会的支撑,这其中也包括衰老后的自己在内。

つまり、子供を生み育てることの費用を下げるために、政策的な介入が必要である。そのためには、待機児童解消に代表されるような子育て支援策の充実はもちろん、若年層の経済環境の改善(非正規雇用対策)など多くの手当が必要だ。

也就是说,为了降低生孩子教育的费用,有必要进行政策性的干预。为此,除了完善以解决待机儿童(需要进保育却因设施和人手不足等原因只能在家排队等待空位的幼儿)问题为代表的育儿扶持政策外,改善年轻人经济状况(非正规雇用政策)等很多手段也是必要的。

日本应对少子化政策第一步:“让男性回归家庭”

妻の子育て負担の 引き下げを狙い撃つ

以降低妻子育儿负担为目标

これまでの多くの経済学の実証研究によると、児童手当や保育所整備といった様々な少子化対策は出生率引き上げに有効である。そうした諸政策の中でも特に費用対効果が優れる少子化対策とはどのようなものだろうか。有効な政策を考える上で重要なのは、子育てにおける男女平等の視点だ。

迄今为止,众多经济学研究证实,儿童补贴、完善保育所等多种少子化政策有效地提高了出生率。在这些政策中,性价比最高的少子化对策是什么呢?有效且重要的一点,是在育儿过程中的男女平等的观念。

もともと、男性の家事・育児負担割合が高い国ほど出生率も高いという正相関があることはよく知られてきた。しかし、このことから直ちに男性の家事・育児を増やせば出生率が上がるかどうかは言えない。仮にそうした因果関係があったとしても、どういう理屈で出生率が上がるのかについてはよくわかっていなかった。

众所周知,男性承担的家务和育儿负担比重越高的国家,出生率也越高,二者呈正相关发展。但并不是说立刻增加男性的家务育儿比重就能提高出生率。就算这二者之间存在因果关系,也很难说明究竟是出于何种原因导致了出生率的上升。

日本应对少子化政策第一步:“让男性回归家庭”

2019年に米ノースウェスタン大学のドゥプケ教授と独レーゲンスブルク大学のキンダーマン教授が発表した論文ではこの点を詳しく検証している。この論文内で参照されている調査では欧州の19カ国で夫と妻それぞれについて、いま子供を持ちたいと思っているかどうかを聞いた。

2019年美国西北大学德普克教授和雷根斯堡大学金德曼教授共同发表的论文中详细验证了这一点。论文以欧洲19个国家的夫妻为参考,询问了他们生育子女的想法。

その結果、まず明らかになったのは、夫婦で意見が一致しないことは珍しくないことだ。そして、3年後にも追跡調査した結果、夫婦ともに子供を持ちたいと思っている夫婦たちほど出生率が高い。当たり前に感じられるかもしれないが、子供を持つかどうかを決めるにあたって、夫婦の合意が重要であることが確認されたのである。

其结果首先表明,夫妻意见不一致的情况并不少见。而3年后的追踪调查结果显示,夫妻二人都想要孩子的家庭出生率更高。这一结果看起来理所当然,但也确定了一件事:是否生育子女,夫妻二人意见一致十分重要。

一方、夫婦の意見が一致しない場合には、妻が子供を持ちたくないと思っていることが多く、そうした夫婦は実際に子供を持たない傾向があることがわかった。では、なぜ妻は子供を持つことに消極的なのだろうか。データを詳しく見ていくと、妻が子供を持ちたくないと思っている夫婦では、夫の家事や子育て負担の割合が低いことがわかった。つまり、子供を持つとその負担は主に自分にのしかかると妻は見通しており、それゆえに新たに子供を持つことに抵抗感があるのだ。注:15歳未満の子供を1人以上持つ夫婦に限定。縦軸の数字が正であれば妻が、負であれば夫が子供をもちたくないと考えていることを意味する。夫婦間の意見が一致している場合、この値はゼロである)。

首先,在夫妻意见不一的情况下,妻子大多不想生育,这样的夫妻实际上有不生孩子的倾向。那么,为什么妻子在生孩子这件事上如此消极呢?仔细数据可以发现,妻子不想养育孩子的情况中,丈夫承担的家务和育儿工作比重很低。也就是说,很多妻子认为一旦有了孩子,主要的负担就会压在自己身上,因此对新生儿有抵触感。注解:只限拥有一个以上未满15岁子女的夫妇。纵轴上的数字为正表示妻子不想要孩子,为负则表示丈夫不想要孩子。夫妻间意见一致时,该值为零。)

日本应对少子化政策第一步:“让男性回归家庭”

参照图

これは少子化対策を設計する上で重要な視点を提供してくれている。これまでの政策論議では、夫婦合わせた子育て負担を減らすことを目標とすることが多かった。しかし、夫婦間での負担割合にも注目する必要があることが、この研究で指摘された。少子化対策の主な原因には妻の子育て負担割合が大きいことがあり、この負担を引き下げることを狙い撃ちしたような政策が必要であることを示しているのだ。

这项研究为少子化政策的设计提供了重要的视角。研究指出,以往的政策论调的目标大多是减少夫妻共同抚养子女的负担,而其中夫妻之间的责任比重也值得重视。目前少子化政策主要问题在于妻子的育儿负担比重过大,有必要采取针对性的政策来降低这一负担。

つまり、出生率を増やすには「子育てにおける男女平等」にいかに近づけるかがポイントである。

也就是说,要想增加出生率,关键在于如何接近“育儿方面的男女平等”。

男性の1カ月の育休は 人生・社会を変える

男性的一个月产假改变人生和社会

有効な少子化対策には「子育てにおける男女平等」が重要であるという点を踏まえると、日本には改善の余地が大きいことがわかる。総務省の社会生活基本調査によると、16年の日本の男性の家事・育児負担割合は17%ほどで、これは先進国としては最低水準だ。

在有效的少子化对策中,“育儿方面的男女平等”非常重要,从这一点来看,日本还有很大的完善空间。据总务省社会生活基本调查显示,2016年日本男性承担的家务、育儿负担占比17%左右,在发达国家中处于最低水平。

これから日本が歩むべき少子化対策の第一歩は「男性を家庭に返す」ことである。複数の実証研究によると、男性が家庭で過ごす時間が増えると、より家庭を重視し、子育て・家事に積極的になることが示されてきた。

今后日本少子化政策的第一步就是“男性回归家庭”。多项研究表明,男性在家庭中度过的时间越长、就会更加重视家庭,积极地参与到育儿和家务当中。

筆者の研究グループでは20年、内閣府の調査から得られたデータをもちいて、テレワークの実施と子育て時間の関係を分析した。新型コロナウイルス感染症の流行下で、子供を持つ男性がテレワークを行うようになった結果、家事・育児時間が増え、仕事よりも家族をより重視するような価値観の転換が見られたことが明らかになった。まだまだ詳細な検証を行う必要があるが、テレワークなどにより家庭で過ごす時間が増えることが日本人男性の「イクメン化」に寄与しうることを示唆している興味深い結果だ。

2020年,笔者的研究小组用从内阁府调查中得到的数据中,分析了远程工作的实施和育儿时间的关系。结果显示,由于新型冠状病毒感染扩散,有孩子的男性在远程工作的背景下,增加了家务和育儿的时间,价值观也从工作优先转换为了重视家庭。虽然该分析还需要更加具体的验证,但这个耐人寻味的结果暗示了通过远程办公等方式在家庭度过的时间增加,对日本男性的“奶爸化”有所贡献。

日本应对少子化政策第一步:“让男性回归家庭”

また、男性の育休取得推進が「イクメン化」に有効であることを示す研究もある。カナダのケベック州やスペインの研究では、男性が育児休業をとり、子供が生まれて最初の1~2カ月を家で一緒に過ごすと、3年後の家事育児時間が2割程度増えたという研究結果が報告されている。

此外,也有研究显示推进男性产假对男性“奶爸化”十分有效。据加拿大魁北克市和西班牙的研究显示,男性在孩子出生后的1~2个月内休产假待在家中,3年后的家务育儿时间会增加20%左右。

「1カ月ほどの育休で何が変わるのか」という懐疑的な向きも多いだろうが、こうした研究が示しているのは男性の1カ月の育休は人生を変え、社会を変える1カ月になりうるという事実だ。

虽然也有人怀疑“一个月的产假能有什么变化”,但这样的研究的确表明了男性的一个月产假很可能是改变人生、改变社会的一个月。

エビデンスに基づき 政策の実行・修正を

以数据为依据推进政策完善和实施

菅義偉政権は少子化対策として待機児童解消や男性の育児休業取得促進、不妊治療の保険適用を掲げている。

菅义伟政府提出了缓解待机儿童问题、推进男性产假获得、不孕不育治疗入保等一系列少子化政策。

まず待機児童解消は、女性の子育て負担を減らし就業を可能にするため、特に有効な少子化対策であり、日本についてのエビデンスも報告されている。国際比較を見ても、保育所が整備され、子供を持つ女性の就業率が高い地域ほど出生率も高い。最終的には保育所の質を確保しつつ、保育所と家庭のミスマッチも解消して、希望するすべての家庭が保育所を利用できるようになることが理想だ。

首先,缓解待机儿童问题可以减少女性的育儿负担,促进女性就业,是一项十分有效的少子化政策,日本也有相关数据证实。从国际上来看,幼儿园越完善、有孩子的女性就业率越高的地区出生率越高。最终的理想状态就是保证幼儿园质量、消解保育所和家庭之间的不平衡,让又需要的家庭都能上得起幼儿园。

そして既に述べたとおり、男性の育休取得促進も有効だ。大切なのは「男性を家庭に返す」ための選択肢は「休業」だけに限らないことだ。労働者の健康に留意しつつ、日本社会でよく見られる必要性の乏しい長時間労働を減らすこともそれにあたり、また、家でも仕事をできるようにするため、テレワークやフレックスタイム制などの柔軟な働き方に関する制度を導入することも効果的である。また、それらの制度を活用することに対する企業、個人にインセンティブを付与することも、少子化対策として重要である。

其次,如上文所说,推进男性产假获得也是一条有效措施。但重要的是,“让男性回归家庭”的选择并非“休假”,企业还需要留意员工的健康状况,日本社会中常见的不必要长时间劳动也应该减少;此外,为了让员工能够居家办公,引入远程办公或弹性工作时间制等灵活的工作制度也十分有效。另外,对活用这些制度的企业和个人给予奖励,也是应对低出生率的重要对策。

一方、少子化対策としての不妊治療の有効性は明らかではない。むしろ、リプロダクティブ・ヘルス、リプロダクティブ・ライツ(性と生殖における個人の自由と法的権利)を推進する政策と考えるべきではないか。イスラエルの研究では、不妊治療を無償化した結果、結婚と出産の年齢を引き上げることにつながってしまったそうだ。これでは少子化対策として期待したような効果が出にくい。不妊治療は尊重する必要があるが、年齢制限を設けるなど効果的な導入が必要だろう。

另一方面,少子化政策中的不孕不育治疗效果尚不明确。相对于此政府更应该考虑推进有关生殖健康、生育权利(性与生殖的个人自由和法律权利)的政策。以色列调查结果显示,不孕不育治疗免费化会导致结婚生育年龄增加,很难得到少子化政策所期待的效果。虽然有必要尊重不孕不育治疗,但也有必要出台一些设定年龄限制等更有效的政策。

日本应对少子化政策第一步:“让男性回归家庭”

少子化対策は待ったなしだ。日々提示されるエビデンスに基づき、政策を実行・修正していくことが必要である。

少子化政策的出台刻不容缓。政府有必要以数据为依据,推进政策的实行和完善。

本内容为沪江日语原创翻译,严禁转载。

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